コーティング剤について

「磨き」について

従来からシングルポリッシャーを使用して磨きを行ってきました。最初は、シングルのみ。でっかいトルクの大きいものから、トルクの小さいもの、機械自体が小さいもの。そのあと、ギアアクションポリッシャー。なんとか、バフ目やオオロラを残さないように仕上げていました。そのころの意識は・・・コンパウンドは、粗いものから微粒子へ仕上げていく・・・バフもコンパウンドにあわせて・・・

組み合わせは自由ですが、基本は決まっていました。 そんな中で不思議に思っていたことは、「粗いコンパウンドの跡を細かいコンパウンドで消せるのか?」でした。 確かに、傷を磨く際に粗いコンパウンドで磨いたほうが早いのは想像ができます。でも、その粗いコンパウンドの跡を細かいコンパウンドで消すのは、大変!

そこで、細かいコンパウンドでも研磨力が強かったら、浅いバフ目で深い傷を消せる? そうすると、2工程目の作業が、早くて簡単。そんな勉強をさせていただきました。

そのための新しい工具と出会うことができました。

コンパウンドについて

NeoBlack

NeoBlack:
極細めでありながら、研磨から仕上げまで可能なコンパウンド。

Blendia 2nd

BLendia 2nd:
油分の量で種類がある超微粒子コンパウンド。

バフについて

ウールバフ

ウールバフ:
バフ目がきわめて小さいウールバフ。

低反発バフ

低反発バフ:
熱をもたない低反発バフ

ウレタンバフ

ウレタンバフ:
艶が出るウレタンバフ。

ポリッシャーについて

シングルポリッシャー

シングルポリッシャー
持つと自然にベストな角度になるように持ち手に工夫がされていて、トルクの調整などカスタムされたシングルポリッシャー。

ランダムポリッシャー

ランダムポリッシャー
持ち手に加え、動きに変化を加え、ブレ幅も調整できるランダムポリッシャー。

シングル回転ポリッシャー(大):
主に傷消しに使用

polishdai

シングル回転ポリッシャー(小):
メインで使用し、仕上げに使用

polishcyuu

ダブルアクションポリッシャー:
黒などの難しい仕上げに使用

polishrandam

シングル回転エアーポリッシャー(小型):
細かい部分に使用

polishsyou

ポリッシャーへの拘り

ポリシャーは、開業当時からシングル回転ポリッシャーのみでやってきました。現在では、一般的には、エアーのダブルアクションやランダムアクションポリッシャーが主流で、そのほうが、ポリッシャー自体が軽く、バフ目が入りにくいといわれています。
しかし、開業当時、30年以上経験されている方から、シングル回転のほうが綺麗になるし、上手くなると言われ、シングル回転ポリッシャーをきちんと使えるようになってから他のポリッシャーを使ってみようと思い今日までシングル回転のみで磨いていました。
コンパウンドやバフも同様です。数えきれないぐらいのコンパウンドやバフ、ポリッシャーがあり、すべてを試すことも無理ですし、何が悪くてなる状態なのかを理解するためには、商材をころころ変えると分からなくなるのが嫌だったので、納得するまでは・・・と思っていました。シルバーやガンメタ色ぐらいでは、1番のコンパウンドでバフ目が出ないように仕上げることができるようになり(大まかに)自分の中で納得できる段階まできました。
そんな中、先日やっとランダムポリッシャーを仕入れました。時々、時間に追われて作業をすると、バフ目が残っていたり、仕上がりがイマイチだったりすることがあります。そんなことを無くすために導入しました。

ポリッシャーの使い方

シングル回転のポリッシャーは、、2種類あり、トルクの違いで使い分けています。傷消しをする場合、猛烈なトルクがかかり、握力勝負な面があり、かなりの腕力を必要とします。傷を消すわけですから、塗装の表面を削っているわけで、当たり前ではありますが、かなり疲れます。チマタでたまに見る、さするだけのポリッシャー掛けでは、傷はほとんど消えません。ランダムポリッシャーよりシングルポリッシャーのほうが、良く削るため、くい込んでいき、抵抗が強くなるのだと思います。しかし、うまく扱えると仕上がりも綺麗です。同じポリッシャーでも力加減で調節することもあります。

ポリッシャー自体を前後左右に動かすスピードとポリッシャー自体の回転スピードのバランスで、作業スピードが変わると思いますが、基本は、低回転でゆっくり動かすのが綺麗に仕上がります。また、バフ目を残さないためにも必要です。が、コンパウンドの種類により施工方法やコンパウンドの使用量にも違いがあるようですから、あくまでも当ガレージでの施工方法です。

とことん磨いて塗装肌を揃えるまで磨くことが、もっとも綺麗に仕上げる要素かと思いますが、塗装の状態により、次回の磨きに制約が出てきたり、塗装自体によっては綺麗に見えなかったり、高級車では、塗装段階で水研きをしてあったりするみたいです。

見る目を創る

綺麗に見えるかどうかは、車のデザインやうねり(凹凸)にもよります。朝日か夕日か曇りか晴天か蛍光灯の下か水銀灯の下かなど、光の種類によっても違いがあり、どのような状況でも綺麗に見える仕上げを目指して磨き作業を行っています。 先日こんなお話がありました。「トヨタのボクシーなどブラックの車が非常に艶があって綺麗に見える・・・」。私も以前感じたことです。でも、その車に近づいてみると汚いんです(笑)。そうです。メーカーでデザインされたプレスラインや曲線により、そう見えるんです。 私の持論ですが、人間の目はすべてを正しく見てくれない・・・です。目には錯覚などありますので・・・。

塗装の種類も様々

塗装の種類によっても、磨きが変わる場合があります。日産のスクラッチ塗装など、軽微な洗車傷などでは、太陽光で傷が消える・・・というものもあります。これらは、通常の磨きでは傷が消えにくかったり、消えたと思っても浮き出てきたりすることもあります。

いろんな塗装があり、水性塗料化や薄膜化されているようですので、日々の積み重ねで皆さんのお車を綺麗に仕上げていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

今までの工程にプラスすることで、磨きの幅ができました。また、塗装へのアプローチの多様化が図れました。 コーティング協会へ加盟し、同業者との関係を作ることができましたので、これからも上達できるよう日々努力する決意です。 また、同業者が技術を公開することでコーティング業界の底上げを行い、コーティングで喜ぶお客様を増やしていけたらいいですね。